日がな一日 手仕事

ハンドメイドDiary

油単の刺繍

この小さな刺繍は母の刺繍の中でも思い出に残っている物です。

油単 or 油箪(ゆたん)【箪笥やその昔は長持ちなどの上に掛けた布のことを言います。今風に言うとタンスカバーですね(^^)】に刺してあった刺繍です。子供の頃布団に入ると目の前に箪笥があって、刺繍部分を毎日目にしていたからなのかもしれません。

今では箪笥さえない家が多いと思いますが、その昔昭和の時代、家には着物を入れる和ダンスがありその上から油単がかかっていました。

思い起こせば、昭和にはやたらと布のカバーをかけていたように思います。母が刺繍をしていたのでどのカバーにも刺繍が施されていました。

ピアノカバー、ソファーの背もたれカバー、電話カバー、鏡台の鏡カバー、ティッシュカバー、下駄箱の上、花瓶の下など何かを置くとその下にはドイリーが敷いてあったり・・わぁ!思い出すだけでもいろいろありました。今でも健在なのはクッションカバーや枕カバーぐらいでしょうか?

たくさんあった刺繍付きカバーは、いつの間にかなくなっていましたが、この油単に刺した刺繍だけはなんとなく好きで切り取って持っています。母もまだ習い始めでそれほど上手ではなかった頃の物だと思うのですが、なんだか好きなのです。思うに刺繍もアートの世界と同じで必ずしも完璧で上手な物だけが心を打つわけでもなく、見る人がどう感じるかなのだと・・・うまく言えませんが・・・そんなものであると思いました。

いつか、リメイクして形にしてみようかと思っているのですが、いつになるやらです(^^♪