羊毛フェルトは手軽に子供から大人まで楽しめる手芸です。
これから羊毛フェルトをやってみようと思っている方や初心者の人のために、フェルトの基礎を簡単にまとめてみました。
羊毛の基礎知識
羊毛フェルトの起源
羊が家畜化されたのは、紀元前6000年~7000年前からだろうと思われています。
最初のフェルトは紀元前ノアの箱舟の話の中で船の中で動物たちの足を痛めないように床に敷き詰めた羊毛が何度も踏み固められてフェルトになったという話や
あるいは長く歩く人たちが足を痛めないよう道に落ちている羊毛を靴底に敷いて歩いている間にフェルト化したなど
その起源にまつわる話はいろいろありますが、いずれにせよ紀元前の昔から羊のいた大陸では、羊毛フェルトの原型は始まっているようです。
羊から羊毛へ
現在では、家畜としての交配が進み、羊毛に適した羊が飼育されています。
飼育用の羊は自然に毛が生え変わることがなく毎年毛を刈り取ります。(余談ですが、刈り取ってあげないと伸び放題の毛は留まるところを知らず、海外の広大な放牧場で迷子の羊が周りの気に毛が絡まって動けなくなり死でしまうこともあるらしいです。カワイソウ)
刈り取った羊毛は洗って余計な油分やごみをきれいにします。何度も漉きながら、小さなごみを取り、毛並みを整えて、最終的にロープ状の形になります。
写真はアナンダさんからお借りしました👇
この状態になった物が、羊毛フェルト材料として売られています。
羊毛の種類
羊毛の種類はその用途により多数ありますが、私たちが手芸材料として使う羊毛は、メリノ、ロムニー、コリデールなどです。
それぞれの特徴を生かして作品を作るので、羊毛の種類も確認して購入してみると良いと思います。刺繍をするなら柔らかく細い繊維のメリノが向いています。ロムニーは、弾力があるのでマフラー作りなどが向いているのかと思います。(コリデールはざっくりした印象があるので、動物を作る時など良いのかと思いますが、私は実際使ったことはないので、確かではないです💦・・・)
ハンドカーダーという道具を使って混ぜ合わせることもできます。色を混ぜたり、種類の違う毛、例えば犬の毛を混ぜ込んだりすることも可能です。
フェルト化する条件
フェルト起源からもわかるように、羊毛がフェルト化するには、踏み固めるなど、ある条件が必要です。
羊毛の表面にはうろこ状の(髪の毛でいえばキューティクルでしょうか?)もので覆われていて、このうろこが開いて絡み合って 縮みながらフェルト化します。
そのための条件として、温度、摩擦、振動や圧力による刺激、水分(PH値なども関係するので、石鹸水なども使われる)時間などが必要になります。これらの条件が絡み合ってフェルト化されます。
羊毛フェルト作りの基本
趣味でフェルトを作るには二通りの方法があります。
①マフラーや帽子のような大きな物を作るには、お湯をかけたり、刺激を与えたりしながら作っていきます。この時滑りをよくするためや、PH値の調節のため石鹸水などを使用します。手順は慣れないと難しいかもしれません。
②小さな物を作るには、専用の針(針先がギザギザになっている)を使ってチクチクと縮めていく方法です。針の種類も一度に何本もさせる物や、作業に合わせて太さもいろいろ出ています。針を刺す方向に縮んでいくので、その特徴を使って繊細な動物の顔を上手に作っていますよね。
まとめ
いろいろな条件下で羊毛からフェルトが出来上がっているのが分かると、ウールのセーターの洗濯に失敗したのも納得がいくかと思います。
反対に羊毛を買わなくても着古したウールのセーターでもお湯で洗ったり、踏んだりすればフェルトが出来るはずです。ただし最近の縮毛加工がされているウールではフェルト化はできませんので、ご注意くださいね。
具体的な作り方については、また後日機会がありましたら、アップしていきます。
*長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。