日がな一日 手仕事

ハンドメイドDiary

刺繍が立体的に見える理由

昔昔、玄関に飾ってあったタペストリーです。

100×120㎝の大きさで中央のひまわりの直径が35㎝以上もあります。

embroidered-tabestry

 母が癌になり、ホスピスの病室まで持っていき飾っていました。病室の壁一面に飾られた大きなひまわりが パワースポットの神木のように母を守ってくれる気がしていました。ずいぶん昔のことです。

 そんな思い出深いタペストリーですが、飾る場所もなく放置し長い時間の中で薄汚れてしまっていたので枠からはずし、ぼろぼろの裏地も外し、洗濯したところです。

中央のひまわり、とてもインパクトがあります。

よく見てみると 大きさだけではなく他にも理由があることに気が付きました。

 ロング&ショートステッチで刺してあるのですが、糸を外側から5番の刺繍糸、25番の3本取り、2本取り、1本と 太さを変えていました。特に外側の5番刺繍糸が輪郭を立体的に際立たせているようです。そのせいで、周りの色鮮やかな花の中にあっても負けていないのでしょう。

 周りの花も同じような刺し方で、内側に行くほど本数を減らしていますが、糸は25番刺繍糸だけを使用しています。

端の唐草模様にはアンティークのビーズが使われています。



 もう元の形に戻すのは無理だし、何かに再利用したいのですが、この図案と大きさ、どうしたものでしょうか?眺めていてもアイデアは浮かんでこないので、また押し入れの奥にしまい込むことになりそうです。
 母の刺繍の大作はたくさんあります。よくこんなに刺繍したものだと 改めて感心します。母は専業主婦だったわけではなく、家の工場の仕事を手伝う共稼ぎで お姑さんもいて、子供もいた忙しい生活をしていました。そんな忙しい生活の中でも たくさんの作品を作っていました。

 今思えば、刺繍をしていた時が母の大切な自分時間で癒しだったのでしょう。

 今母親と同じ世代になり、手仕事をしていると、その昔の母の姿を思い出します。

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